アジェンダ・アグリコーラ シュン・ミノワ
産地:エミリア・ロマーニャ ピアチェンツァ
エミリア・ロマーニャの名門La Stoppaで働き、醸造責任者ジュリオ・アルマーニ氏とともにLa Stoppaのワイン造りを支えた美濃和駿さんが独立。2019年ヴィンテージがファーストヴィンテージのワイナリーです。
2012年に、スペインに渡った美濃和さん。
当初は自ら「ワインの輸入会社」を始めるつもりだったのですが、 ワイン造りの道に
「生産者と知り合い、実際にワイン作りの現場で手を動かしているうちに、この生活の方がフィットしていると感じました。自分と美醜の感覚が似ている人に多く出会えたのも大きいです。」
スペインで働き「スペイン語が通じる」という事で2015年、南米「チリ」に渡ります。チリではルイ・アントワーヌ・リュイットのもとで働き、そこで南米で新しいプロジェクトを始めようとしていたLa Stoppaのエレナ・パンタレオーニに出会います。
2010年のアジェノを飲んで衝撃を受け、すぐにエレナに働かせてもらえるよう頼み、2016年より3年にに渡りLa Stoppaで醸造を経験。いくつか試験醸造もした上で、「今いるトラーヴォで自分のワインを作るべきだ」と考えるようになったそうです。
畑はアンドレア・チェルヴィーニの紹介。ジュリオ・アルマーニも太鼓判を押す畑です。
目指すスタイル
「 一つ一つのワインが彼/彼女らしくあるためにどうすればいいか考えています。」
「逆に言うと、たとえば、代々偉大なサッカー選手を輩出した家族にいたとして、自分の子供が産まれた時にサッカー選手になるための英才教育を行ってサッカー・マシーンを養成する…といったことを避けたいのです。彼は彼の人生があり、彼はもしかすると一人で彼らしい人生を発見するかもしれないけれど、親が敷くレールの影響はとてつもなく大きいわけで…。なので、ワインに対して、こうなってほしいという先入観みたいなものをできるだけ持たないように努めています。」
「あと、世界にふたつとして同じワインがあるべきではない、と考えています。一卵性双生児でも、大人になったときには完全に異なった人格を持つのが普通なように、もし全く同じワインがふたつあるとすればそこには何か作り手の意図が介在しているはずです。ワインの個性がのびのびと表現されるためには、フィルターや温度管理や亜硫酸塩の添加を避けざるをえず、結局ナチュラル・ワインと言われる醸造方法に落ち着くことになりました。」
栽培、醸造で気を配る点
「メッセージが肝心な事を言っているなら、大声で叫ばなくても人には伝わる、と思っているので、香りを拡張するようなオペレーションは何もしていません。マセレーションは5ヶ月と少し長いですが。笑 漬けているだけで、ほとんどピジャージュもせずほったらかしです。」
○ GATE 羯諦 Shun Minowa
般若心経の最後のフレーズの「羯諦(ぎゃてい)羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」より。
ブドウ畑:0.5ha 強い石灰岩土壌、その上に非常に薄い土壌(粘土より水はけのよいシルト)樹齢は42年 オルトゥルーゴ80%、マルヴァジア・カンディア・アロマティカ10%、マルサンヌ10%